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グラデーションパステルスカイ

​片頭痛

今までにも何回もあって

横になっている方が楽で

気持ち悪くなったり、光や音が嫌なこともある

​こんな頭痛はないですか?

片頭痛の特徴

一般的には、年に数回~月1.2回の頭痛から始まります。

​片側の脈打つ痛みが片頭痛の典型例です。

​しかし、両側の締め付けられる痛みや後頭部の痛みでも片頭痛の事があります。

​・4-72時間持続

​・目の奥・こめかみが痛い

・動くとつらい(じっとしている方が楽)

・中等度以上の頭痛

・嘔気・嘔吐または光過敏と音過敏、(臭い過敏)

頭痛の誘因;

ストレス、寝不足、寝過ぎ、月経(生理)、天気など

​以上の特徴がある場合は片頭痛の可能性があります。

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​片頭痛のタイプって?

​前兆のない片頭痛

一番多いタイプです。

予兆期⇒頭痛期⇒回復期

という経過をたどります。

​慢性化する場合があります。

前兆のある片頭痛

典型的な前兆には閃輝暗点という視覚性前兆が起き、その後に頭痛が起きます(前兆のみの場合もあり)。

予兆期⇒前兆期⇒頭痛期⇒回復期

片頭痛の一般的な経過

​片頭痛の治療 二つの柱(急性期・予防治療)

■片頭痛の急性期治療

​ アセトアミノフェン(カロナール®)、NSAIDs(イブプロフェン、ロキソニンなど)が一般的ですが、これらで効果がない場合や一回の頭痛で内服回数の多い場合などでは、片頭痛用の急性期治療薬であるトリプタン製剤を用います。アセトアミノフェンやNSAIDsは市販されていますが、トリプタン製剤は処方箋のみでの取り扱いです。トリプタン製剤は、片頭痛にしか効果はなく他の痛みには効果ありません(群発頭痛には効果があります)。片頭痛専用の治療薬です

 現在、トリプタン製剤は5種類(スマトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、リザトリプタン、ナラトリプタン)があります。ご自身に合うトリプタン製剤を探すことが大切です。

 内服タイミングも重要で、痛み始めたところ(頭をふると痛みを感じる、少し痛くなってきた)タイミングで内服していただき、効果判定を行います(2時間以内の症状改善)。トリプタン製剤とNSAIDsなどを組み合わせることもあります。うまくいけば30分程度で頭痛消失を目指せます。

■片頭痛予防薬

*内服予防薬

​血管を安定させる薬剤:Ca拮抗薬(ミグシス®)、β遮断薬(インデラル®)

神経の興奮を抑える薬:抗うつ薬(トリプタノール®)、抗てんかん薬(デパケン®)

漢方薬:呉茱萸湯、釣藤散、五苓散など

​が以前より用いられてきました。内服予防薬での効果判定は2か月間毎日飲んでいただきます。それにより頭痛回数の減少などを評価し、効果があるかどうかを判定します。一定の方に、内服予防薬で効果がみられない方がいらっしゃいます。その際は、注射予防薬をご提案させていただきます。

注射予防薬 ; CGRP関連薬剤(エムガルティ・アジョビ・アイモビーグ)について

 片頭痛予防薬として、CGRP関連薬剤であるCGRPモノクローナル抗体、CGRP受容体モノクローナル抗体薬が本邦でも保険適応となっています。CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は片頭痛の頭痛期における重要な役割があることが示されています(例:片頭痛患者にCGRPを投与すると片頭痛様頭痛が発現する)。このCGRPを抑えることで、片頭痛の予防を行う皮下注射製剤が3製剤(エムガルティ®、アジョビ®、アイモビーグ®)発売されています。作用する場所で分類するとCGRP自体に作用するCGRPモノクローナル抗体製剤とCGRPの受容体(受け皿)に作用するCGRP受容体モノクローナル抗体製剤にわかれます。

■CGRPモノクローナル抗体(エムガルティ®、アジョビ®)

  CGRPに結合し、CGRPの働きを抑える

・エムガルティ®

初回2本投与とし、その後は月に1本ずつ注射していく

特徴 : 初回2本で月1ずつ  初回2本投与で立ち上がりを早く安定させる

 

・アジョビ®

初回から1本ずつ4週毎に注射  or   一回に3本皮下注し12週毎に3本ずつ

特徴 : 色々な投与方法ができる

Suzuki K, Suzuki S, Shiina T, Tatsumoto M, Fujita H, Haruyama Y, et al. Effectiveness of three calcitonin gene-related peptide monoclonal antibodies for migraine: A 12-month, single-center, observational real-world study in Japan. Cephalalgia. 2023;43(5):3331024231177649.

Erenumab;         アイモビーグ®

Garcanezumab; エムガルティ®

Fremanezumab; アジョビ®

CGRP抗体薬使用による頭痛日数の変化

■CGRP受容体モノクローナル抗体(アイモビーグ®)

CGRPの受け皿である受容体に作用し、CGRPが作用しないようにする

・アイモビーグ®

初回から一本ずつで4週毎に注射

特徴:唯一の受容体製剤、100%ヒト型でアレルギー反応が起こりにくい、便秘が他の製剤と比べて少し多い

〇効果判定や薬価など

 一般的に3か月での効果判定を行います。その後効果があれば1年~1年半程度続けるのが良いとされています。3割負担での金額が約11,700円~12,800円(注射一本あたり)です。複数の報告で上記3製剤では6か月後の頭痛日数減少(頭痛予防効果)では差は認められませんでした。

 月に5日間頭痛が減ると、年に60日と約2か月分頭痛が減ることになります。高い治療ではありますが、効果も高く片頭痛診療が変わったと言われています。注射をご希望の場合は(基本的には)内服予防薬を1剤以上使用することが条件となっています。お気軽にご相談ください。

〇有害事象

 基本的な有害事象として、注射部位の疼痛、かゆみ、発赤、腫脹です。全身症状としては、便秘があります。その他、極めて稀ですが、アナフィラキシーショックを起こすことがあります。

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